Webサイトが複数の言語や国の人に向けたものなら、訪問者一人ひとりに検索結果で正しいバージョンを見てほしいはずです。日本語を話す人には日本語のページを、イギリスの買い物客にはポンド建ての価格を、台湾の訪問者には台湾向けのサイトを。それを実現するのが海外SEOで、その中心となるツールが hreflang です。
サイトの構成を選ぶ
海外向けコンテンツを整理する一般的な方法は3つあります。
| 構成 | 例 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 国別コードトップレベルドメイン(ccTLD) | example.de、example.fr | 国のシグナルが最も強く、現地での信頼を得やすい | 費用がかかり、権威性がドメインごとに分散し、管理の手間が増える |
| サブドメイン | de.example.com | 別々にホスティングしやすい | 権威性が一部分かれ、地域のシグナルが弱い |
| サブディレクトリ | example.com/de/ | メインドメインの権威性を共有でき、最も管理しやすい | 国のシグナルは ccTLD より弱い |
ほとんどの企業にとって、サブディレクトリが最もバランスのよい選択です。1つのドメインで、すべての言語の権威性を築けます。ccTLD は、国ごとに本当に別々の事業を運営するだけのリソースがある場合に使いましょう。
どれを選ぶにしても、URLパラメータ(?lang=fr)に頼ったり、Cookie や IP アドレスによって同じURLで異なる言語を表示したりするのは避けましょう。検索エンジンには、バージョンごとに固有のURLが必要です。
言語のターゲティングと国のターゲティング
ターゲットにするのが言語なのか、国なのか、その両方なのかを決めましょう。
- すべてのスペイン語話者に向けた1つのスペイン語版 → 言語のターゲティング(
es) - スペインとメキシコで別々のバージョン → 言語と地域(
es-ES、es-MX) - 英語版は1つだが、イギリスとアメリカで価格が異なる → 地域のバリエーション(
en-GB、en-US)
国別のバリエーションは、通貨、価格、法的情報、つづり、商品など、内容が本当に異なる場合にだけ作りましょう。英語圏の国ごとにほぼ同じコピーを作っても、管理の手間が増えるだけで、あまりメリットはありません。
hreflang の役割
hreflang のアノテーションは、複数のURLが、異なる言語や地域に向けた同じコンテンツの同等のバージョンであることを検索エンジンに伝えます。検索エンジンが検索した人ごとに正しいURLを表示する助けになり、代替バージョンが競合する重複として扱われるのを防ぎます。
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/">
<link rel="alternate" hreflang="en-GB" href="https://example.com/uk/">
<link rel="alternate" hreflang="fr" href="https://example.com/fr/">
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/">
Google は hreflang を使います。Bing は content-language の meta タグや HTML の lang 属性をより重視するため、それらも設定しましょう。
重要なルール
1. すべてのバージョンが、自分自身を含むすべてのバージョンを列挙する
hreflang タグの完全なセットが、グループ内のすべてのページに表示されている必要があります。各ページには、自分自身を指すエントリも含めます。
2. 相互リンク(戻りリンク)が必須
英語のページがフランス語のページを指しているなら、フランス語のページも英語のページを指し返さなければなりません。相互のリンクがないと、Google はアノテーションを無視することがあります。これは hreflang で最も多いエラーです。
hreflang タグを検証し、各言語版が相互にリンクしているか確認します。
3. 有効なコードを使う
- 言語:ISO 639-1 の2文字のコード(
en、fr、de、ar) - 任意の地域:ISO 3166-1 alpha-2 のコード(
GB、US、MX) - 地域だけの指定は無効です(
hreflang="uk"はイギリスではなくウクライナ語を意味します) - イギリスは
GBです。en-GBを使い、en-UKは決して使わないでください
4. x-default を追加する
x-default は、検索した人にほかのどのバージョンも合わないときに表示するページを示します。通常は言語選択ページや、メインの海外向けページです。
5. 正規の、インデックス可能なURLを指す
hreflang のすべてのURLは、200 を返し、インデックス可能で、自分自身が正規URLでなければなりません。hreflang でリダイレクトや noindex のページを指さず、言語版同士を canonical で相互に指定しないでください。
ページの各言語・地域版の hreflang リンクタグを生成します。
hreflang を実装する3つの方法
<head>内の HTML の link タグ – 小規模なサイトに最も簡単- HTTP ヘッダー – PDF など HTML 以外のファイル向け
- XML サイトマップ – 大規模なサイトに最適で、HTML を軽く保て、一元管理しやすい
<url>
<loc>https://example.com/fr/</loc>
<xhtml:link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/"/>
<xhtml:link rel="alternate" hreflang="fr" href="https://example.com/fr/"/>
<xhtml:link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/"/>
</url>
1つの方法を一貫して使いましょう。混在させるとエラーが起きやすくなります。
hreflang 以外に必要なこと
- きちんと翻訳する。 確認のない機械翻訳は、不自然な文章になりがちです。通貨、単位、日付、例、文化的な表現もローカライズしましょう。
- メタデータもローカライズする。 可能な範囲で、title、description、alt テキスト、URL(スラッグ)を翻訳します。
- IP による自動リダイレクトをしない。 場所にもとづいて訪問者をリダイレクトすると、主にアメリカからクロールする Googlebot がほかのバージョンを見られなくなることがあります。代わりに、現地のバージョンを提案するバナーを表示しましょう。
- 通常のリンクを使った目に見える言語切り替えで、バージョン同士をリンクする。
- HTML の
lang属性と文字の方向(アラビア語やヘブライ語にはdir="rtl")を設定する。 - 市場ごとに現地からのリンクや言及を獲得する。
hreflang でよくある失敗
- 相互リンクがない
- イギリスを表すのに
en-UKやukのような無効なコードを使っている - 自分自身を指すエントリがない
- hreflang がリダイレクト、リンク切れ、noindex のURLを指している
- canonical タグがすべての言語を1つのバージョンに向けている
- hreflang がトップページにだけあり、下層ページにない
具体例
日本の通販ショップが、日本、アメリカ、イギリス、台湾で販売しており、日本語、英語、繁体字中国語のコンテンツがあるとします。価格はアメリカ(米ドル)とイギリス(ポンド)で異なります。
構成: 1つのドメインのサブディレクトリ。
| バージョン | URL | hreflang |
|---|---|---|
| 日本語 | example.com/ | ja |
| 英語 – アメリカ | example.com/us/ | en-US |
| 英語 – イギリス | example.com/uk/ | en-GB |
| 繁体字中国語 – 台湾 | example.com/tw/ | zh-TW |
| フォールバック | example.com/us/ | x-default |
各バージョンのすべてのページに、5つのアノテーションをすべて記載します。日本語版は、日本国内に限らず日本語を話す人に同じ内容を提供するため、特定の国ではなく言語をターゲットにしています。アメリカ版とイギリス版は通貨や配送情報が異なるため、別々の地域コードを使います。繁体字中国語は台湾向けの字体と表現を使うため、zh-TW を指定します。どの言語にも当てはまらない訪問者には、英語のアメリカ版をフォールバックとして表示します。
右から左に書く言語
アラビア語、ヘブライ語、ペルシャ語、ウルドゥー語は右から左に書きます。これらのバージョンでは次のようにしましょう。
<html>要素に正しいlangとともにdir="rtl"を設定する- ナビゲーション、方向を示すアイコン、文字の揃えなど、レイアウトを左右反転する
- CSS の論理プロパティ(
margin-leftの代わりにmargin-inline-start)を使い、1つのスタイルシートで両方向に対応する - 数字、URL、複数の言語が混ざったテキストが正しく表示されるかを確認する
海外での成果を測る
Google Search Console では「検索パフォーマンス」レポートを国やページで絞り込めるため、各言語のディレクトリのクリック数と表示回数を、ターゲットの国ごとに比べましょう。英語のページの表示回数がほとんどアメリカからで、イギリスやオーストラリアの利用者が少ないなら、地域のバリエーションや現地向けのコンテンツが役立つか検討しましょう。また、各国で検索した人が正しいバージョンにたどり着いているかも確認します。イギリスで検索した人がアメリカのページに着地しているなら、hreflang と内容の違いを見直しましょう。
海外SEOのチェックリスト
- 言語や地域のバージョンごとに固有のURLがある
- サイトの構成(ccTLD、サブドメイン、サブディレクトリ)を決め、一貫して使っている
- 自己参照と x-default を含め、すべてのバージョンに hreflang がある
- すべてのバージョン間に相互リンクがある
- 有効な言語コードと地域コードを使っている
- すべてのバージョンに自己参照の canonical がある
- コンテンツ、title、description を翻訳・ローカライズしている
- HTML の
lang属性とdir属性を設定している - IP による自動リダイレクトがなく、代わりに目に見える言語切り替えがある
- 市場ごとに成果を別々に追跡している
重要なポイント
- 海外向けサイトには、言語や地域のバージョンごとに固有のURLが必要です。
- ほとんどの企業にとって、1つのドメインのサブディレクトリが権威性と管理のしやすさのバランスに最も優れています。
- hreflang は相互でなければならず、すべてのバージョンに自己参照を含める必要があります。
- 有効なコード(言語と任意の地域、たとえば en-GB)を使い、x-default を追加しましょう。
- 各バージョンには自己参照の canonical が必要です。言語版同士を canonical で指定してはいけません。
- IP による自動リダイレクトは避け、代わりに目に見える言語切り替えを用意しましょう。
よくある質問
1つの言語だけのサイトに hreflang は必要ですか?
いいえ。hreflang は、複数の言語や地域で同等のコンテンツがあるサイトのためだけのものです。
hreflang はランキング要素ですか?
いいえ。ページの順位を上げるものではなく、検索エンジンが正しいバージョンを正しい利用者に表示する助けになるものです。
Google は HTML の lang 属性を使いますか?
Google はコンテンツそのものから言語を判別し、代替バージョンには hreflang を使います。それでも lang 属性の設定は、アクセシビリティとほかの検索エンジンのために重要です。
サイトを自動で翻訳してもよいですか?
できますが、機械翻訳は必ず確認しましょう。品質の低い自動翻訳を大量に公開すると、価値の低いコンテンツとして扱われることがあります。
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